ファイバーレーザー切断機 FLC1500
ファイバーレーザーにおける「エアー切断」のメリットとデメリット
ファイバーレーザー加工機のアシストガス選定において、窒素・酸素に続く「第3の選択肢」として定着したエアー(空気)切断。コストパフォーマンスに優れる一方で、加工品質には窒素切断と明確な差が生じます。
本記事ではそれぞれの特徴について解説しております。
エアー切断のメリット
ランニングコストの低減が最大の魅力です。
- 劇的なコストダウン:高価な窒素ガスを購入・補充する必要がなく、コンプレッサーを通じて供給するため、ガス代をほぼゼロに抑えることが可能です。
- ボンベ交換の手間を削減:ガスの残量を気にすることなく、長時間の連続稼働が可能になり、現場のオペレーション負荷を軽減します。
※窒素・酸素ボンベの消費時間
エアー切断のデメリット(品質への影響)
コスト面での恩恵がある反面、仕上がり品質については窒素切断に劣る点がいくつか存在します。
1. ドロス・バリの発生と除去コスト
窒素という「圧力で吹き飛ばす力」に対し、エアーは成分が安定しないため、切断条件がシビアになります。
- しつこいドロス: 窒素加工と比較しドロスが付着しやすく、手作業でのサンダー掛けなどの二次加工が発生し、結果的に人件費を押し上げる要因となります。
2. 熱による微細形状の歪み
酸化反応熱が加わるため、窒素切断に比べてワークへの熱影響が大きくなります。
- 精度への影響: 複雑な微細形状や、小さな穴あけ加工において、エッジが溶けたり熱歪みが発生したりしやすく、精密部品の加工には不向きな場合があります。
3.用意するエアーの品質管理
コンプレッサー圧縮した空気には、微量の油分や水分、塵等が混入するリスクがあります。
レンズ損傷:不純物が混ざったエアーではレンズ等の光学部品の損傷や仕上がりの低下を招きます。
工業用のオイルレス、ドライヤ―機能搭載のコンプレッサーの準備、もしくは専用の除去フィルターの準備や維持が必須となります。
推奨圧縮空気品質:JIS B 8392-1:2012(ISO 8573-1:2010)クラス [2:5:2] 以上
- 固体粒子:クラス 2
- 水分:クラス 5(圧力下露点 +7℃以下)
- オイル:クラス 2(全油分 0.1 mg/m³以下)
上記品質を確保するため、オイルレスエアーコンプレッサー、およびフィルターレギュレーター(ミストセパレーター付) の使用を推奨します。
4. 切断面の酸化と黒ずみ
エアーに含まれる酸素の影響で、切断面が酸化し、酸化被膜(スケール)が形成されます。
- 外観の低下: 窒素切断のような美しい金属光沢は失われ、黒ずんだ仕上がりになります。
- 塗装剥離のリスク: 酸化被膜の上から塗装を施すと、時間が経つにつれて塗膜が剥がれやすくなります。塗装を前提とする製品では、事前のバリ取りや洗浄工程が必須となります。




エアー加工による断面酸化皮膜の対処
弊社レーザークリーナーであれば切断面の酸化皮膜の除去を行う事が出来ます。
「エアー切断はコストは安いが、切断面の塗装が剥がれる」という課題は、レーザークリーナーとの併用で解決可能です。

比較まとめ表
| 比較項目 | エアー切断 | 窒素切断 |
| ガス代(ランニングコスト) | 極めて安い | 高い |
| 切断面の光沢 | なし(黒ずむ) | あり(美しい) |
| 酸化被膜の付着 | あり | なし |
| 後工程(塗装・溶接) | 除去工程が必要な場合あり | そのまま次工程へ可能 |
| 推奨用途 | 内部パーツ・コスト重視材 | 外観部品・高品質塗装製品 |
まとめ
今回はファイバーレーザーにおける「エアー切断」のメリットとデメリットをご紹介しました。
弊社ではエアーを使用した製品サンプル依頼や、その後の酸化皮膜へのレーザークリーニングも承っております。ご利用頂き塗料の付着具合等もご検討材料としていただけますと幸いです。
お試し加工(サンプル作製サービス)は下記ページよりお気軽にお問い合わせくださいませ。
無料体験サービス
ファイバーレーザー切断機