【電気代は実測】レーザークリーナーSCLシリーズ5機種のランニングコスト全公開

公開日:2026年8月24日
最終更新日:2026年8月24日

レーザークリーナーの導入を検討していると、最後まで悩みが残るのが「実際の月額ランニングコストがいくらになるのか」という点ではないでしょうか。しかもSCLシリーズには200Wから6000Wまで5機種があり、どの機種を選ぶとコストがどう変わるのかは、カタログスペックだけでは見えてきません。

本記事では、smartDIYsが自社のレーザークリーナー5機種(SCL200/SCL500/SCL800CW/SCL2000CW/SCL6000CW)を実際にクランプメーターで計測しました。電気代とエアー代は実測値、消耗品費は実際の部品価格に交換頻度の目安を掛け合わせた試算値として、すべて数字で公開します。5機種を同じ条件で並べているので、機種選定の比較材料としてもご覧いただけます。

そのうえで、この記事で一番お伝えしたいことを最後に書いています。ランニングコストで機種を選ばないでくださいという話です。

ランニングコストの内訳

SCLシリーズのランニングコストは、大きく分けて次の4項目で構成されます。

  • 電気代:本体(レーザー発振器)・チラー・制御系など装置全体の消費電力
  • エアー代:クリーニング時に使用する圧縮空気を作るコンプレッサーの電力
  • 消耗品費:保護レンズ・フィルターエレメントなど定期交換部品
  • 純水・不凍液:チラー冷却水の定期交換コスト(水冷機のみ)

レーザー切断機と違い、レーザークリーナーは酸素や窒素といったアシストガスを使いません。使用するのは圧縮空気(CDA)だけです。そのためガス代という項目が存在せず、エアー代はコンプレッサーの電気代として計上できます。つまり、SCLシリーズのランニングコストはそのほとんどが電気代と消耗品費に集約されるという、比較的シンプルな構造になっています。

まずは実測データの中心となる電気代から見ていきます。

電気代(実測値)

測定方法

smartDIYs社内の実機を対象に、日置電機製クランプメーター(3280-10F)を使用して各稼働状態の電流値を実測しました(測定時気温30℃、電圧は公称値で換算)。加工中の電流値は、レーザーを定格出力100%で照射した際の実測値です。

なお、使用したクランプメーターは平均値整流方式のため、スイッチング電源特有の歪んだ波形では誤差が生じます。また消費電力は力率1.0として計算しているため、実際の消費電力はこれよりやや小さくなります。数値は安全側(多めに出る側)の目安としてご覧ください。

機種 発振方式 冷却方式 電源 待機時 出力100% 出力50%
SCL200 パルス 空冷 単相100V 0.032 kW 0.521 kW 0.340 kW
SCL500 パルス 水冷 単相200V 1.490 kW 3.190 kW 2.592 kW
SCL800CW CW(連続) 空冷 単相200V 0.108 kW 1.958 kW 1.070 kW
SCL2000CW CW(連続) 水冷 単相200V 1.514 kW 6.132 kW 4.026 kW
SCL6000CW CW(連続) 水冷 三相380V 5.792 kW 21.786 kW 14.612 kW

※SCL6000CWは三相電源のため、消費電力の計算に√3を用いています。社内では発電機出力で測定しており、実際の設置環境では昇圧トランスの損失が別途加算されます。

待機時電力は「出力」ではなく「冷却方式」で決まる

上の表を見ると、待機時電力にはっきりした境界があることに気づきます。

空冷機(SCL200/SCL800CW)はいずれも0.1kW未満なのに対し、水冷機(SCL500/SCL2000CW/SCL6000CW)は1.5kW以上。SCL500とSCL2000CWにいたっては、出力が4倍違うにもかかわらず待機時電力はほぼ同じ(1.490kWと1.514kW)です。

これは、水冷機ではチラーが本体と一体で動き続けるためです。レーザーを照射していなくても冷却系は稼働し続けるので、その分の電力が常時かかります。裏を返せば、水冷機を使わない時間帯は電源を落とすことで、電気代を確実に減らせるということでもあります。

出力を半分にしても、電気代は半分にならない

「出力を絞れば電気代が下がるのでは」と考える方は多いのですが、実測してみると、そうはなりませんでした。

機種 出力100%時 出力50%時 電力の比率
SCL200 0.521 kW 0.340 kW 65%
SCL500 3.190 kW 2.592 kW 81%
SCL800CW 1.958 kW 1.070 kW 55%
SCL2000CW 6.132 kW 4.026 kW 66%
SCL6000CW 21.786 kW 14.612 kW 67%

全機種で、出力を半分にしても消費電力は半分になっていません。特にSCL500は、出力を半分に絞っても電力が19%しか減りませんでした。

理由は、制御系・冷却系・電源部といった「レーザー出力によらず一定でかかる電力」が乗っているためです。SCL6000CWで見ると、待機時の5.79kWは出力設定に関係なく常にかかります。この固定分を除いてレーザー本体の消費だけを見ると、100%時16.0kWに対して50%時8.8kW。完全な比例ではないものの、かなり近い動きになります。全体で見たときに比例しないのは、固定費が乗っているためだと分かります。

出力を絞る運用は、加工品質や母材への熱影響を考えれば有効な場面もありますが、電気代の節約を目的にするなら効果は限定的です。

電気代の計算式

電気単価26.48円/kWh(既存製品ページ記載の単価に準拠)を用いて、次の式で算出しています。

月間電気代 =(加工時消費電力 × 加工時間 + 待機時消費電力 × 待機時間)× 26.48円/kWh

稼働時間別・月額電気代シミュレーション

レーザークリーナーは、毎日フル稼働させる機械というよりも、必要なときに持ち出して使う、あるいは特定の工程でだけ使うという使われ方が中心です。そこで「稼働頻度(週に何日動かすか)」と「1回あたりの稼働時間」から3つのプランを設定しました。あわせて、電源ON時間のうち実際にレーザーを照射している割合(加工率)も、稼働頻度が低いプランほど低めに設定しています。

プラン 稼働頻度 1回あたり時間 電源ON時間/月 加工率 加工時間/待機時間
ライトユース 週2日 2時間 16時間 30% 加工4.8h/待機11.2h
スタンダード 週3日 4時間 48時間 40% 加工19.2h/待機28.8h
ヘビーユース 週5日 6時間 120時間 50% 加工60h/待機60h

この条件での月額電気代は次のとおりです。

機種 ライトユース スタンダード ヘビーユース
SCL200 約76円 約289円 約879円
SCL500 約847円 約2,758円 約7,436円
SCL800CW 約281円 約1,078円 約3,282円
SCL2000CW 約1,228円 約4,272円 約12,148円
SCL6000CW 約4,487円 約15,494円 約43,817円

ここで注目していただきたいのが、SCL500がSCL800CWより高いという結果です。出力は500Wと800Wで、SCL500のほうが小さいにもかかわらず、電気代は2.5倍以上かかっています。

これはパルス機とCW機の効率差によるものです。SCL500は500Wの出力を得るのに3.19kWを消費しており、変換効率にすると約16%。対してSCL800CWは800Wに対して1.96kWで、約41%です。パルス発振は瞬間的に高いピークパワーを作り出す方式のため、平均出力あたりで見るとどうしても電力を多く使います。

出力の大きい機種ほど電気代が高い、という単純な関係にはなっていないということです。この点は記事の最後でもう一度触れます。

エアー代(コンプレッサーの電気代)

SCLシリーズはアシストガスを使いませんが、レンズ保護と加工品質の維持のために圧縮空気(CDA)を必要とします。この空気を作るコンプレッサーの電気代が、実質的なエアー代になります。

社内で使用しているコンプレッサー(日立産機システム POD-2.2GXA5/三相200V・2.2kW・吐出し空気量240L/min)で実測したところ、稼働時3.07kW、アンロード時0.39kWでした。

コンプレッサーはタンク圧が下がったときだけ稼働し、それ以外はアンロード状態で待機します。SCL側の空気消費量は実測で約118.5L/minですので、コンプレッサーの吐出し量240L/minに対して負荷率は約49%。平均消費電力は約1.72kWとなります。

なお、消費電力とエアー消費量は実測値ですが、負荷率はこの2つから算出した計算値です。実際の稼働状況によって前後します。

プラン 加工時間/月 エアー代(月額)
ライトユース 4.8時間 約218円
スタンダード 19.2時間 約872円
ヘビーユース 60時間 約2,725円

エアー代は全機種共通として計上しています。空気消費量はSCL200/SCL500/SCL800CWで実測した値をもとにしており、上位機種でも大きく変わらないという前提での試算です。

なお、SCL200の電気代がスタンダードプランで約289円であるのに対し、エアー代は約872円。小型機ではレーザー本体よりコンプレッサーのほうが電力を使うという逆転が起きます。「レーザークリーナーの電気代」を考えるときに見落とされがちな部分です。

コンプレッサーの機種によって金額は変わりますが、消費電力はモーター出力よりも「供給した空気量」でおおむね決まります。小型のコンプレッサーであれば負荷率が上がるだけで、同じ空気量を作るのに必要なエネルギーは大きくは変わりません。上記は参考機での試算としてご覧ください。

エアーの「質」も見落とせない

レーザークリーナーは、加工部へ吹き付けるアシストエアの質が、洗浄品質と保護レンズの寿命を大きく左右します。圧縮空気に水分・油分・オイルミストが含まれていると、保護レンズの汚れや曇り、洗浄ムラ、出力低下、エア配管の腐食といったトラブルの原因になります。結果として消耗品コストが増えるため、エアーの質はランニングコストに直結する要素です。

圧縮空気の品質は、JIS B 8392-1:2012のクラス[2:5:2]相当を推奨しています。これは「あったほうが良い」ではなく、SCLシリーズを使ううえでの実質的な必須要件です。エアーの質を確保しないまま運用すると、保護レンズの消耗が早まり、結果的にランニングコストが上がります。

満たす方法は2つあります。

1. 3in1マルチドライフィルター(T-105A-1000)を使う

弊社でご用意しているフィルターです。コンプレッサーエアー中の水・油・オイルミストを一台で除去し、水滴ゼロ、油滴99.99%除去、0.01μm以上の固形粒子を除去します。詳しい仕様は前田シェルサービス様のホームページをご覧ください。本体価格は81,400円(税込)です。

3in1マルチドライフィルター

2. オイルレスエアーコンプレッサー+フィルターレギュレーター(ミストセパレーター付)を使う

すでにお持ちの設備で条件を満たせる場合は、こちらでも問題ありません。オイルレスコンプレッサーであれば油分の混入がなく、ミストセパレーター付きのフィルターレギュレーターで水分と粒子を除去できます。

いずれの方法でも、フィルター類のエレメントは消耗品です。本記事では1の構成を前提にエレメント交換費を試算しています。2の構成を選ばれる場合は、お使いの機器に応じた交換費に読み替えてください。

なお、フィルター本体の購入費は導入時の初期費用のため、月額のランニングコストには含めていません。

消耗品費

レーザーヘッド先端の保護レンズは、加工中に飛散する粉塵やスパッタの影響を最も受ける部品で、定期的な交換が必要になります。単価は機種によって異なります。

保護レンズの消耗は稼働日数ではなく、実際にレーザーを照射した時間に比例します。そこで本記事では加工10時間あたり1枚を目安として試算しました。

機種 保護レンズ単価 ライトユース(月0.48枚) スタンダード(月1.92枚) ヘビーユース(月6枚)
SCL200 2,860円 約1,373円 約5,491円 約17,160円
SCL500 3,960円 約1,901円 約7,603円 約23,760円
SCL800CW 1,650円 約792円 約3,168円 約9,900円
SCL2000CW 1,650円 約792円 約3,168円 約9,900円
SCL6000CW 4,400円 約2,112円 約8,448円 約26,400円

※SCL800CWとSCL2000CWの保護レンズは共通品番です。

ここで、電気代とのバランスに注目してください。スタンダードプランのSCL200では、電気代が約289円に対して保護レンズが約5,491円。保護レンズだけで電気代の19倍という構造になっています。

レーザークリーナーのランニングコストを考えるとき、多くの方が最初に気にされるのは電気代ですが、実際に効いてくるのは保護レンズです。この点は導入前に押さえておいていただきたいポイントです。

保護レンズの寿命は対象物で大きく変わる

「加工10時間で1枚」はあくまで平均的な目安です。実際の寿命は、何を除去するかによって大きく変動します。

厚い塗膜や重度の錆のように、除去時に飛散物が多く発生する対象では、レンズの汚れが早く進みます。逆に、薄い酸化被膜や軽度の汚れであれば、目安よりずっと長く使えることもあります。同じ機種・同じ稼働時間でも、対象物が違えば消耗品費が数倍変わることは珍しくありません。

こまめなクリーニングで寿命は大きく延びる

保護レンズは、汚れたらすぐ交換しなければならない部品ではありません。付着した汚れをクリーニングすることで、繰り返し使用できます。交換が必要になるのは、傷が入った場合や、クリーニングしても汚れが落ちなくなった場合です。

特に連続して作業される場合は、数十分ごとに一度レーザーを止めてレンズの状態を確認し、汚れていればクリーニングするという運用をおすすめします。汚れが付着したまま照射を続けると、レンズ表面で熱が集中して焼き付きが起き、クリーニングでは回復できない状態になります。こうなると交換するしかありません。

逆に言えば、こまめな確認とクリーニングを習慣にするだけで、保護レンズの寿命は大きく延ばせます。ランニングコストの中で最も大きな割合を占める費目なので、日々の運用で最も差がつくポイントでもあります。

このほか、トーチ内部には集光レンズ・コリメートレンズも使用されています。単価は機種によって大きく異なります。

機種 集光レンズ コリメートレンズ
SCL200 41,580円(集光レンズユニット)
SCL500 48,400円 6,600円
SCL800CW/SCL2000CW 9,900円 9,900円
SCL6000CW 39,600円 19,800円

これらは保護レンズが破損した際に巻き添えで交換になるケースが中心で、交換頻度が稼働状況によって大きく異なるため、月額試算からは除外しています。

なお、集光レンズ・コリメートレンズは、定期的なクリーニングを行うことで長期間使用できます。交換が必要になるのは、傷が入った場合や汚れが除去できない場合です。交換作業はできる限りホコリの少ない環境で行ってください。

SCL800CW/SCL2000CWのトーチ
▲SCL800CW/SCL2000CWのトーチ

フィルターエレメント

3in1マルチドライフィルターを使用する場合、性能を維持するために定期的なエレメント交換が必要です。

部品 単価 交換頻度 月額換算
第1エレメント 7,150円 2年に1度(洗浄または交換) 約298円
第2エレメント+オイルミストエレメント(セット交換) 7,150円+26,400円 6〜10ヶ月ごと 約4,194円
オートドレン 6〜10ヶ月ごとに水洗い
合計 約4,492円

第2エレメントとオイルミストエレメントはセットでの交換が必要で、上表では中間値の8ヶ月ごととして試算しています。圧力計の差圧が10%生じた際も交換のタイミングです。

なお、交換の目安は「6〜10ヶ月ごと」と「約1,000時間」の2つがあり、先に到達したほうで交換します。稼働時間の長い現場では1,000時間が先に来るため、上記より早いサイクルになります。

消耗品費の合計

保護レンズとフィルターエレメントを合算すると、次のようになります(プラン別)。

機種 ライトユース スタンダード ヘビーユース
SCL200 約5,865円 約9,983円 約21,652円
SCL500 約6,393円 約12,095円 約28,252円
SCL800CW 約5,284円 約7,660円 約14,392円
SCL2000CW 約5,284円 約7,660円 約14,392円
SCL6000CW 約6,604円 約12,940円 約30,892円

※フィルターエレメント(約4,492円)は全プラン共通、保護レンズは加工時間に応じて変動します。

純水・不凍液

水冷機であるSCL500/SCL2000CW/SCL6000CWでは、チラーの冷却水に純水を使用し、凍結防止のためクーラント液(不凍液)を季節に応じた濃度で希釈して使用します。空冷機のSCL200/SCL800CWでは、この費用は発生しません。

チラーの容量は機種によって異なり、SCL500とSCL2000CWが10L、SCL6000CWが22Lです。

機種 チラー容量 純水(20L・2,500円) クーラント液(5L・11,000円) 年間費用 月額換算
SCL500 10L 年3本(7,500円) 年2本(22,000円) 29,500円 約2,458円
SCL2000CW 10L 年3本(7,500円) 年2本(22,000円) 29,500円 約2,458円
SCL6000CW 22L 年6本(15,000円) 年4本(44,000円) 59,000円 約4,917円

冷却水は2ヶ月に1回(年6回)の交換を想定しています。クーラント液は冬季(30%希釈)とそれ以外の季節(10%希釈)で必要な原液量が異なりますが、5Lボトル単位で購入し年間の総必要量をまかなう形で試算しています。

SCL500のチラー。本体に内蔵しています
▲SCL500のチラー。本体に内蔵しています

訪問修理費0円の意味

SCLシリーズは、標準1年保証に加えて有償の延長保証も用意していますが、smartDIYsではスタッフが客先に赴く訪問型の修理・メンテナンスは行っていません。日常のメンテナンスやクリーニング、消耗品交換はユーザー自身に行っていただく運用です。

「訪問対応がない」と聞くと不安に感じるかもしれませんが、これは裏を返せば訪問費・出張費という不確定要素がランニングコストに一切乗らないということでもあります。他社では「保守契約費+訪問1回あたり数万円の出張費」が発生するケースも珍しくありませんが、smartDIYsではその費用構造自体が存在しません。

その代わりに、開発から設計・製造・販売までを自社一貫体制で行っており、生産工場(中国)と整備工場(日本)の2拠点で品質管理を行い、保守部品も本社に在庫しているため、故障時も早急に代替品を用意できる体制を整えています。トラブル時は電話・メールでのリモートサポートと、パーツの迅速な発送で対応する仕組みです。

保護レンズのように交換頻度の高い部品も、ユーザー自身で数分あれば交換できる構造になっています。この「自分で直せる」設計思想が、訪問修理費0円を成立させています。

総額シミュレーション

電気代・エアー代・消耗品費・純水/不凍液を合算した月額を、プラン別・機種別にまとめました。

ライトユース(週2日×2時間)

機種 電気代 エアー代 消耗品費 純水・不凍液 合計
SCL200 76円 218円 5,865円 約6,159円
SCL500 847円 218円 6,393円 2,458円 約9,916円
SCL800CW 281円 218円 5,284円 約5,783円
SCL2000CW 1,228円 218円 5,284円 2,458円 約9,188円
SCL6000CW 4,487円 218円 6,604円 4,917円 約16,226円

スタンダード(週3日×4時間)

機種 電気代 エアー代 消耗品費 純水・不凍液 合計
SCL200 289円 872円 9,983円 約11,144円
SCL500 2,758円 872円 12,095円 2,458円 約18,183円
SCL800CW 1,078円 872円 7,660円 約9,610円
SCL2000CW 4,272円 872円 7,660円 2,458円 約15,262円
SCL6000CW 15,494円 872円 12,940円 4,917円 約34,223円

ヘビーユース(週5日×6時間)

機種 電気代 エアー代 消耗品費 純水・不凍液 合計
SCL200 879円 2,725円 21,652円 約25,256円
SCL500 7,436円 2,725円 28,252円 2,458円 約40,871円
SCL800CW 3,282円 2,725円 14,392円 約20,399円
SCL2000CW 12,148円 2,725円 14,392円 2,458円 約31,723円
SCL6000CW 43,817円 2,725円 30,892円 4,917円 約82,351円

※消耗品費は保護レンズとフィルターエレメント(3in1マルチドライフィルター使用時)の合計です。保護レンズは加工10時間あたり1枚として、プランごとの加工時間に応じて計算しています。

いずれのプランでも、最も安いのはSCL800CWという結果になりました。SCL200(200W)より安く、SCL500(500W)の半分程度です。電気代が抑えられていることに加え、保護レンズの単価が1,650円と最も安く、空冷機のため純水・不凍液も不要という条件が重なっています。

注目していただきたいのは、稼働量が変わっても機種間の順位は入れ替わらないという点です。ライトユースからヘビーユースまで、安い順はSCL800CW、SCL200、SCL2000CW、SCL500、SCL6000CWで一定です。

ここで、もう一度この表を見てください。出力の順に並べたはずなのに、コストは出力の順になっていません。SCL200よりSCL800CWが安く、SCL500はSCL2000CWより高い。ランニングコストは出力の大小では決まらないのです。

ランニングコストで機種を選ばないでください

ここまでランニングコストの内訳を数字で公開してきました。そのうえで、レーザークリーナーの導入を検討されている方に、どうしてもお伝えしておきたいことがあります。

ランニングコストを機種選定の基準にしないでください。

コストを公開する記事でこう書くのは矛盾しているようですが、理由は2つあります。

コストの順位が、性能の順位と一致しない

前章の表が示すとおり、ランニングコストが最も安いのはSCL800CWです。しかしこれは「SCL800CWが最も優れた機種」という意味ではまったくありません。

コストが安くなったのは、CW発振で電力効率が良いことと、保護レンズの単価が安いことの結果にすぎません。SCL800CWで落とせない対象物は当然あります。逆に、コストが最も高い部類のSCL500が、SCL800CWでは落とせない汚れをきれいに除去することもあります。

安い機種を選んで、その機種が自社の対象物を処理できなかった場合、失うものは月々数千円の差額よりはるかに大きくなります。

出力の大小より、除去の原理が違う

こちらが本質的な理由です。

SCLシリーズには、パルス発振とCW(連続)発振という動作原理の異なる2種類の機種が含まれています。SCL200とSCL500がパルス機、SCL800CW以降がCW機です。これは出力の大小とはまったく別の軸です。

パルス機は、ごく短い時間にエネルギーを集中させて照射します。瞬間的なパワー密度が非常に高くなるため、母材にほとんど熱を入れないまま、表面の汚れ層だけを弾き飛ばすことができます。

CW機は、レーザーを連続して照射します。熱で汚れを溶融・気化させて除去するため、平均出力が高く、厚い塗膜や重度の錆に対して有利です。一方で母材への入熱はパルス機より大きくなります。

つまり、出力が大きい機種ほどよく落ちる、とは限りません。

実際、弊社の検証でも、対象物によっては出力の小さいパルス機のほうがきれいに除去できるケースがあります。薄い錆や酸化被膜、母材へのダメージを避けたい精密部品などがこれにあたります。逆に、厚い塗膜を広い面積から剥がす作業では、CW機でなければ現実的な時間で終わりません。

これは優劣ではなく、適性の違いです。

判断すべきは「自社の対象物との相性」

以上を踏まえると、機種選定で見るべきなのは次の点です。

  • 除去したい対象は何か(錆・塗膜・油脂・酸化被膜など)
  • その層はどの程度の厚さか
  • 母材に熱の影響が出ても問題ないか
  • 一度に処理する面積はどのくらいか

これらが決まれば、パルスかCWか、どの出力帯かはおのずと絞られます。ランニングコストはその後で確認すれば十分です。

そして最終的な確認方法は一つしかありません。実際の対象物で試すことです。

カタログの数値や本記事のコスト試算では、お客様の対象物が落ちるかどうかは判断できません。弊社では実機でのテスト加工を承っています。実物をお送りいただければ、どの機種でどこまで除去できるかを確認したうえでご報告します。

機種選定に迷われている場合は、コストの比較よりも先に、こちらをご利用いただくのが確実です。

まとめ

SCLシリーズのランニングコストは、スタンダードな稼働(週3日×4時間)で月々約10,000円〜34,000円。その内訳を見ると、電気代よりも保護レンズやフィルターエレメントといった消耗品費が大きな割合を占めるという結果になりました。「レーザークリーナーは電気代が高そう」というイメージをお持ちの方も多いのですが、実測してみると電気代の負担は思ったほど大きくありません。

一方で、機種間のコスト差は出力の順にはなっていません。パルス機とCW機で電力効率が大きく異なるうえ、保護レンズの単価も機種ごとに違い、さらに空冷機か水冷機かで純水・不凍液の要否も変わるためです。

そして最も大切なのは、この記事の数字で機種を選ばないことです。レーザークリーナーは、対象物との相性で選ぶ機械です。ランニングコストは、機種が決まったあとの検討材料としてお使いください。

実際の稼働イメージやご検討中の対象物についてご不明な点があれば、お気軽にご連絡ください。