レーザークリーナーで配管のメッキ除去【SCL2000W】

公開日:2026年5月14日
最終更新日:2026年5月15日

弊社製品のご購入検討用に、お持ちの素材に無料で加工が試せる製品体験サービス「お試し加工」。

今回は、配管工事の現場でメッキ除去に課題を抱えていたお客様からのご依頼で実施した、レーザークリーナーによるお試し加工の事例をご紹介します。

使用した装置や加工条件、所要時間、加工結果を具体的にまとめていますので、レーザークリーナーによるメッキ除去をご検討中の方はぜひ参考にしてください。

加工の背景と課題

今回のお客様は、配管工事を手がけている企業様です。

現場ではメッキ配管のメッキを除去する工程が発生しており、従来はグラインダーで表面を削り落とす方法で対応されていました。しかし、グラインダーによるメッキ除去には以下のような課題があります。

  • 研削による金属粉塵が発生し、作業環境や安全面への配慮が求められる
  • 砥石やディスクの消耗にともない、定期的な交換コストがかかる
  • 手作業のため、作業者によって仕上がりにばらつきが出やすい
  • 母材に対してキズや削り過ぎが生じるリスクがある

こうした課題から、非接触で表面処理を行えるレーザークリーナーに関心をお持ちいただき、「実際にメッキ配管のメッキを除去できるかどうか確認したい」とのご依頼で、お試し加工を実施しました。

加工条件

使用装置

使用装置:SCL2000CW(CW式ファイバーレーザークリーナー、出力2000W)

今回の加工では、回転軸(ロータリーアタッチメント)を使用しました。配管を回転軸にセットし、パイプを回転させながらレーザーを照射することで、円筒状のワークの外周面を連続的にクリーニングできます。

加工パラメーター

パラメーター 設定値
パワー 20%
周波数 4 KHz
スキャン速度 10,000 mm/sec
照射モード 直線
照射幅 X 115 mm
塗りつぶし間隔 0.15 mm

SCL2000CWは、パワーや周波数、スキャン速度、照射モードなどのパラメーターを任意に調整できます。照射モードだけでも直線・楕円・長方形・波線・グリッドなど8種類から選択可能で、素材の種類やメッキの厚み、求める仕上がりに応じた条件出しが行えます。

今回はパワー20%という比較的低い出力での加工です。出力を上げたり、照射回数を増やしたりすることで、より強いクリーニング効果を得られる可能性があります。

加工の様子

回転軸にメッキ配管をセットし、配管を回転させながらレーザーを照射してクリーニングを行いました。実際の加工の様子を以下の動画でご覧いただけます。

【動画】SCL2000CWで回転軸を使いメッキ配管をクリーニングしている様子

動画の通り、レーザーを照射した箇所のメッキが瞬時に除去されていく様子が確認できます。回転軸により配管が一定速度で回転するため、手作業に比べて均一な仕上がりが得られやすい点も特徴です。

加工結果

回転軸を使用し、配管外周の約8割を約40秒でクリーニングしました。以下は、クリーニング前後の写真です。

クリーニング前

クリーニング前のメッキ配管の外観


【画像】クリーニング前のメッキ配管の外観

クリーニング前のメッキ配管の表面拡大


【画像】クリーニング前のメッキ配管の表面拡大

クリーニング後

メッキ除去後のメッキ配管の外観


【画像】メッキ除去後のメッキ配管の外観

メッキ除去後のメッキ配管の表面拡大


【画像】メッキ除去後のメッキ配管の表面拡大

レーザー照射後の表面は、クリーニング前と比べて明らかな変化が見られました。ただし、メッキがどの程度の深さまで除去されたかは目視での判断が難しいため、用途によっては表面分析や断面観察などで除去状況を確認する必要があります。

加工を踏まえた考察

今回の加工事例から、レーザークリーナーによるメッキ除去について以下の点が見えてきました。

メッキの種類・厚みが結果を左右する

メッキには亜鉛メッキやクロムメッキ、ニッケルメッキなどさまざまな種類があり、それぞれレーザー光に対する吸収率や蒸発温度が異なります。また、メッキの厚みによっても必要なエネルギー量や照射回数が変わります。そのため、レーザークリーナーによるメッキ除去を検討する際は、実際のワークを使って事前に加工テストを行い、求める仕上がりが得られるかどうかを確認することが重要です。

グラインダーとの比較

レーザークリーナーは非接触で加工を行うため、グラインダーのように母材を物理的に削ってしまうリスクがありません。研削粉塵が発生しない点、騒音が少ない点も、作業環境の面で大きな利点です。さらに、今回のように回転軸と組み合わせることで、円筒形状のワークでも均一な処理が可能になります。

一方で、メッキの完全除去が求められる用途では、パラメーターの最適化や複数回の照射が必要になる場合もあります。加工目的に合った条件を見つけるために、事前のテスト加工が欠かせません。

レーザークリーナーが母材を傷つけずに表面の付着物を除去できる原理については、「レーザークリーナーはなぜ母材を傷つけないのか」の記事で詳しく解説しています。

まとめ

本記事では、配管のメッキ除去を目的としたレーザークリーナーのお試し加工事例をご紹介しました。

今回の検証では、SCL2000CWと回転軸を使用して、配管外周の約8割を約40秒でクリーニングできることを確認しました。ただし、メッキの除去結果はメッキの種類や厚みによって変わるため、導入を検討される際には、実際のワークでの事前検証が重要です。

「自社のワークでレーザークリーナーがどの程度効果があるか試してみたい」という方は、お試し加工サービスをご利用ください。お客様の実際のサンプルをお送りいただき、加工結果を確認したうえでご検討いただけます。