アルマイト処理アルミ板へのレーザーマーキング|白・黒アルマイトの仕上がりを比較【LM110C】

公開日:2026年5月19日
最終更新日:2026年5月19日

弊社製品のご購入検討用に、お持ちの素材に無料で加工が試せる製品体験サービス「お試し加工」。

今回は、アルマイト処理されたアルミ製品に、ロゴや型番などのマーキングを入れたい。そんなご相談をいただき、白アルマイト・黒アルマイトそれぞれのアルミ板にレーザーマーキングのお試し加工を実施しました。

本記事では、加工パラメータ・加工時間・仕上がりの違いを、実際の写真とともにご紹介します。

加工事例の概要

アルミ製食品トレイの開発を進める製造業のお客様から、製品にロゴマーキングを施したいとのご相談をいただきました。素材はアルミで、表面にはアルマイト処理が施される予定とのことです。

開発段階のため現時点ではマーキング方法が未確定であり、まずはお試し加工で仕上がりを確認したいというご要望でした。お客様からアルマイト処理済みのアルミ板サンプル(白アルマイト2枚・黒アルマイト2枚、各100×100mm)をお送りいただき、弊社にて加工テストを実施しました。

加工前の白アルマイト・黒アルマイトのアルミ板サンプル
図1:加工前のアルマイト処理済みアルミ板。左が白アルマイト、右が黒アルマイト

加工前のご相談:マーキングはアルマイト処理の前?後?

お問い合わせの際、お客様から「アルミの生地材にマーキングしてからアルマイト処理をするのと、アルマイト処理後にマーキングするのと、どちらが良いのか?」というご質問をいただきました。

結論としては、アルマイト処理後にマーキングするのが推奨です。

生地材の状態でマーキングを行った場合、その後のアルマイト処理でマーキング箇所もアルマイト層に覆われてしまいます。結果として、かなり深く刻印をしない限りマーキングが見えなくなる恐れがあります。

一方、アルマイト処理後にレーザーマーキングを行う場合は、表面のアルマイト層をレーザーで除去してアルミ素地を露出させる加工となります。アルマイト層とアルミ素地の色の違いでマーキングが視認できるため、浅い加工でも明瞭な仕上がりが得られます。

今回のお試し加工も、この方針に基づいてアルマイト処理済みの素材に対して実施しました。

加工内容と加工パラメータ

使用機種

LM110C(ファイバーレーザーマーカー、Qスイッチ型 30W、加工エリア 110×110mm)

加工素材

アルミ板(白アルマイト・黒アルマイト)、各100×100mm

加工データと加工パラメータ

加工データは弊社ロゴマーク(幅60mm)を使用しました。白アルマイトと黒アルマイトでは、最適な仕上がりを得るために速度の設定を変えています。

パラメータ 黒アルマイト 白アルマイト
速度 1000 mm/sec 500 mm/sec
パワー 50% 50%
ハッチング 0.05 mm 0.05 mm
回数 1回 1回

各パラメータの意味は以下の通りです。

  • 速度(mm/sec): レーザー照射地点の移動速度。速いと薄く、遅いと濃い加工になる傾向があります
  • パワー(%): レーザーの出力強度。数値が高いほど濃く、低いほど薄い加工になります
  • ハッチング(mm): 塗りつぶしを表現する平行線の間隔。値が小さいほど密に加工されます
  • 回数: 同じ箇所を繰り返し加工する回数

※上記パラメータは参考値です。加工機や素材の状態、加工環境によっては同一の結果にならない場合があります。

加工時間

素材 加工時間
黒アルマイト 約15秒
白アルマイト 約21秒

白アルマイトは速度を落としているため、黒アルマイトよりも加工時間がやや長くなっています。いずれも1個あたり数十秒で完了する短時間加工です。

動画1:レーザーマーキング加工中の様子

加工結果と仕上がりの比較

黒アルマイトの仕上がり

黒アルマイトへのマーキングは、アルマイト層が除去された部分にアルミ素地が露出し、暗い背景に対して明るい色のマーキングが浮かび上がります。仕上がりはやや茶色がかった色味になりましたが、コントラストが強く、視認性は良好です。

黒アルマイト板に施したレーザーマーキングの拡大写真
図2:黒アルマイトへのレーザーマーキング結果。コントラストが高く、マーキングが明瞭に視認できる

白アルマイトの仕上がり

白アルマイトの場合、アルマイト層を除去した部分はグレーの仕上がりになりました。白い表面に対してグレーのマーキングとなるため、黒アルマイトと比べるとコントラストはやや控えめです。

視認性自体は問題ありませんが、見る角度によっては少し見えにくくなる場合があります。

白アルマイト板に施したレーザーマーキングの拡大写真
図3:白アルマイトへのレーザーマーキング結果。グレーの仕上がりで、角度によって視認性が変わる

視認性の比較

両者を並べると、視認性の違いが明確になります。

  • 黒アルマイト: 暗い背景 × 明るいマーキングで、コントラストが高い。どの角度から見てもマーキングがはっきり確認できる
  • 白アルマイト: 明るい背景 × グレーのマーキングで、コントラストはやや低め。正面から見れば問題なく読み取れるが、角度によっては見えにくくなることがある

視認性を重視する用途では、黒アルマイトのほうが有利です。白アルマイトの場合は、実際のサンプルで読み取り可否を事前に確認されることをおすすめします。

白アルマイトと黒アルマイトのレーザーマーキング仕上がりの比較
図4:白アルマイト(左)と黒アルマイト(右)の仕上がり比較

お客様の声

加工結果をご報告したところ、以下のご感想をいただきました。

報告書の写真で見る限り、非常に細やかではっきりとしたマーキングで、加工時間は私が考えていたよりも、ずっと速くて驚きました。

── アルミ製食品トレイの開発を進める製造業のお客様より

まとめ

アルマイト処理されたアルミ板へのレーザーマーキング加工事例をご紹介しました。

マーキングのタイミングは、アルマイト処理後に行うのが基本です。アルマイト処理前にマーキングすると、アルマイト層に覆われてマーキングが見えなくなる恐れがあります。

仕上がりはアルマイトの色によって異なり、黒アルマイトはコントラストが高く視認性に優れる一方、白アルマイトはグレーの仕上がりとなり角度によっては見えにくくなる場合があります。用途に応じて、事前にサンプルで確認されることをおすすめします。

加工時間はロゴマーク(幅60mm)1個あたり15〜21秒と短時間で、量産工程への組み込みにも対応しやすい加工です。